診断のポイント
【1】表1図に示す基準のいずれかを満たす患者に発症した肺炎である。
【2】市中肺炎と院内肺炎の中間に位置する肺炎である。
【3】表2図に示すような病態では,誤嚥性肺炎をきたしやすい。
緊急対応の判断基準
【1】重症例は,一般病床への入院あるいは集中治療室への移送を検討する。具体的には,患者年齢ならびに脱水,呼吸不全,意識障害,血圧低下の有無を総合して判断する〔日本呼吸器学会による重症度分類(A-DROP)を参考とする〕。
【2】集中治療の適応や積極的治療の施行は,患者の社会的背景や疾患の状態(終末期や老衰など),患者や家人の意思を総合的に検討して決定する。
症候の診かた
【1】高齢患者が多く,若年者の肺炎に比して,非典型的な症状をとることが多い。
【2】高齢者では,咳嗽や喀痰などの呼吸器症状の欠如や発熱がみられないこともある。
【3】意識障害や,「元気がない」「食欲がない」「倦怠感が強い」など