診療支援
診断

薬剤性腎障害
Drug-induced Kidney Injury
臼井 丈一
(筑波大学准教授・臨床医学域腎臓内科学)

診断のポイント

【1】腎機能障害の診察では常に薬剤性腎障害を疑う

【2】薬剤(処方薬・検査薬・市販薬など)の使用歴の把握に努める。

【3】薬剤ごとに発症機序や経過が異なる。

【4】原因薬剤は,非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs),抗癌剤,抗菌薬,造影剤の4種で大半を占める。

【5】リスクファクター:高齢者,既存の慢性腎臓病,脱水,発熱,高度な動脈硬化,ポリファーマシー。

緊急対応の判断基準

【1】急性腎障害()での対応に準じる。

【2】進行性あるいは高度の高窒素血症〔尿素窒素(BUN),クレアチニン上昇)〕,高カリウム血症,うっ血性心不全,乏尿・無尿などがみられる患者:透析の必要性を検討する。

症候の診かた

【1】経過として,急性腎障害(),慢性腎臓病()の両者を呈する可能性がある。

【2】腎不全・尿毒症症状:腎機能低下が進行すると,乏尿(),浮腫(),呼吸困難などの体液過剰症状や悪心・嘔吐,下痢

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