診療支援
診断

尿崩症
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Diabetes Insipidus
髙木 博史
(名古屋大学医学部附属病院・糖尿病・内分泌内科)

診断のポイント

【1】口渇,多飲,多尿を主症候とする。

【2】下垂体後葉から分泌される抗利尿ホルモンであるバソプレシン(AVP)の分泌に障害のある中枢性尿崩症と,腎集合管におけるAVPの作用に障害のある腎性尿崩症に分類される。

【3】鑑別すべき疾患として糖尿病と,多飲が原因となって多尿を呈する心因性多飲症がある。

緊急対応の判断基準

【1】渇感障害を伴う場合:一般に尿崩症患者は,口渇に応じて水分を摂取することによって体液量や血清ナトリウム濃度を維持している。一方で視床下部下垂体の病変によって尿崩症患者に渇感障害を伴う場合がある。このような患者は口渇感に応じた適切な水分摂取ができないため,著明な脱水症や高ナトリウム血症を呈し,補液や血清ナトリウムの補正などの緊急対応を必要とすることがある。

症候の診かた

【1】多量の低浸透圧尿を認める。

【2】夜間も症状が持続するため,患者は不眠を呈する。

【3】日常的に水分

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