診療支援
診断

急性副腎不全
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Acute Adrenal Insufficiency
田邉 真紀人
(福岡大学講師・内分泌・糖尿病内科)

診断のポイント

【1】既知の慢性副腎不全。

【2】長期のステロイド使用と急激な減量(医原性副腎不全)。

【3】感染症,外傷などの誘因。

【4】低血圧,脱水,倦怠感,食欲不振,悪心・嘔吐,下痢,腹痛,発熱,意識障害。

【5】色素沈着(原発性副腎不全),女性における腋毛・恥毛の脱落。

緊急対応の判断基準

【1】最低限の検査として血中副腎皮質刺激ホルモン(ACTH),コルチゾール濃度測定のための採血を行った後に直ちに治療を開始する。

【2】入院下での全身管理が必要となるため自施設で対応困難な場合は高次医療機関へ搬送する。初発例では初期治療後に詳細な内分泌検査が必要であり専門医療機関が望ましい。

症候の診かた

【1】低血圧,脱水,倦怠感,食欲不振,悪心・嘔吐,下痢,腹痛,発熱,意識障害などの非特異的所見から本症を疑うことが重要である。

【2】原発性副腎不全の場合ACTH,γ-メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)の分泌亢進

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