診断のポイント
【1】Lancefield分類A群のレンサ球菌,すなわち化膿性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)による敗血症性ショックの病態である。
【2】糖尿病などの基礎疾患を有する患者のみならず,健常人にも突然発症し,急速に進行する劇症型感染症である。
【3】ほぼ24時間以内に敗血症性ショック,多臓器不全の病態を呈する。
【4】皮膚軟部組織病変としての壊死性筋膜炎を合併する場合がほとんどであるが,皮膚所見が明らかでない場合もある。
【5】壊死性筋膜炎は,病態の特徴から「人食いバクテリア」とよばれ,社会的にセンセーショナルに取り上げられることもある。
緊急対応の判断基準
急速に多臓器不全に陥るので,診断したり,疑った時点で全症例迅速に外科的治療と集中治療の開始が必要である。
症候の診かた
【1】初発症状は咽頭痛,発熱,消化管症状(食欲不振,悪心・嘔吐,下痢),全身倦怠感,低血圧な