診療支援
診断

リステリア症
††
Listeriosis
山本 善裕
(富山大学大学院教授・感染予防医学講座)

診断のポイント

【1】グラム陽性短桿菌であるListeria monocytogenesによる人畜共通感染症である。L. monocytogenesは自然界に広く存在し,土壌や野菜,動物などから検出される。

【2】感染源は牛乳,チーズ,サラダ,食肉などの食品,または母親からの垂直感染。

【3】髄膜炎での発症が最も多く,敗血症,子宮内および新生児感染症など多彩な病態を示す。

【4】潜伏期間は3週間程度と推定されている。

【5】新生児,高齢者および細胞性免疫低下状態(血液疾患,臓器・骨髄移植,HIV/AIDSなど)で発症しやすい。

緊急対応の判断基準

【1】髄膜炎の所見があれば,すみやかに専門医へ相談する必要がある。

【2】妊婦の感染は,出産後新生児の新生児集中治療管理室(NICU)での管理が必要になる可能性がある。

症候の診かた

【1】汚染された食品の摂取後に,髄膜炎,脳炎,敗血症など,多彩な病態をとる。

【2】

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?