診断のポイント
【1】セラチア属の菌はグラム陰性の通性嫌気性桿菌であり,腸内細菌科に属し,健康なヒトにおいても腸管内などに常在している場合がある。
【2】Serratia marcescensがセラチア感染症の代表的な原因菌である。
【3】セラチア属は日和見感染症として発症する場合が多く,菌血症,敗血症,尿路感染症,肺炎,腹膜炎などの原因となりうる。
【4】診断には感染部位から得られた検体から菌を分離することが重要であるが,常在菌の汚染の可能性を考慮する必要がある。
【5】セラチア属は抗菌薬に耐性を示しやすいため,薬剤感受性検査の結果を踏まえて抗菌薬の選択を行う必要がある。
緊急対応の判断基準
本菌による感染症は免疫不全状態の患者に起こることが多く,エンドトキシンショックや敗血症,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation:DIC)を合併すると
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