診療支援
診断

深在性真菌症
Deep-seated Mycosis
時松 一成
(昭和大学准教授・内科学講座臨床感染症学部門)

診断のポイント

【1】易感染状態などの基礎疾患や薬歴。

【2】一般抗菌薬に不応性の発熱。

【3】特徴的な画像所見。

【4】真菌学的検査(抗原検査やβ-D-グルカン検査などの血清補助検査や培養検査)が陽性。

緊急対応の判断基準

【1】血液から酵母様真菌が検出された場合:中心静脈カテーテルを抜去し,抗真菌薬による経験的治療を開始。

【2】肺真菌症で血痰や喀血がある場合:気管支動脈塞栓術や外科的治療が必要となることもあり,専門医や専門施設に相談。

【3】輸入真菌症を疑う場合:細菌検査室での2次感染も報告されているため,検査・診断に入る前に,専門医や専門施設に相談。

症候の診かた

【1】発熱:免疫不全やICU入院中などのリスク因子があり抗菌薬不応性発熱がある場合,本症を念頭におく。

【2】視力低下,霧視:カンジダ血症では血行性転移により真菌性眼病変を生じる。黄斑部病変や硝子体浸潤がないと眼症状がないため,血液培養で酵母

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