診療支援
診断

骨粗鬆症・骨軟化症
Osteoporosis and Osteomalacia
湏藤 啓広
(三重大学大学院教授・生命医科学専攻臨床医学系講座運動器外科学・腫瘍集学治療学)

[Ⅰ]骨粗鬆症

診断のポイント

 原発性骨粗鬆症の診断のポイントについて述べる。

【1】脆弱性骨折:立った姿勢からの転倒かそれ以下の外力による骨折。

【2】脆弱性椎体骨折あり。

【3】脆弱性大腿骨近位部骨折あり。

【4】椎体・大腿骨近位部以外の脆弱性骨折例では骨密度を測定する。

【5】脆弱性骨折の既往がなければ,とりあえず骨密度を測定する。

緊急対応の判断基準

【1】遅発性麻痺を伴った椎体骨折。

【2】新鮮脆弱性骨折。

症候の診かた

【1】急性腰痛:新鮮椎体骨折の可能性あり。

【2】慢性腰痛:既存椎体骨折が影響している可能性あり。

【3】身長低下・円背:椎体骨折が存在する可能性あり。

【4】転倒後の疼痛:当該部位を骨折している可能性あり。

【5】無症状

❶椎体骨折の3分の2は無症状。

❷骨折の既往がない骨粗鬆症のほとんどは無症状。

検査所見とその読みかた

【1】骨密度

❶原則として腰椎または大腿骨近位部を測定する。

❷複数部位で測定

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