診断のポイント
【1】中高年男性が罹患する。
【2】多彩な下部尿路症状を訴える。
【3】下部尿路症状により生活の質(QOL)が低下している。
【4】原因となる他疾患を除外する。
【5】前立腺が小さくても前立腺肥大症を否定できない。
緊急対応の判断基準
前立腺肥大症(BPH)に起因する合併症として急性尿閉と有熱性尿路性器感染症がある。
【1】急性尿閉:アルコール摂取などが誘因となり,下腹部(膀胱部)の膨隆と疼痛により推測される。導尿による尿排出が必須である。
【2】有熱性尿路性器感染症:尿排出障害により細菌性の急性前立腺炎や急性精巣上体炎が起こると,下部尿路症状に加えて高熱を呈する。尿のドレナージとともに適切な抗菌薬の投与が必要となる。
症候の診かた
【1】患者の受診契機は,QOLの低下につながる下部尿路症状の存在である。
【2】BPHに伴う代表的な下部尿路症状を定量化するために国際前立腺症状スコア(Inter
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