診療支援
診断

新生児仮死
Neonatal Asphyxia
岩田 欧介
(名古屋市立大学准教授・新生児・小児医学分野)

診断のポイント

【1】Apgarスコア低値が遷延し,呼吸や循環の補助が必要。

【2】臍帯血もしくは生直後の血液ガスで高度のアシドーシス。

【3】母体出血や胎児心拍異常などの誘因の存在。

緊急対応時の判断基準

 以下のいずれかを満たす場合,新生児集中治療室(NICU)を有する施設に搬送し,専門的診療を開始する。

【1】中等度以上のアシドーシス(採血部位問わずpH<7.1)。

【2】Apgarスコア低値(0~6点)が5~10分以上遷延。

【3】呼吸循環補助を継続的に必要とする。

【4】筋緊張低下などの神経学的異常所見を認める。

症候の診かた

【1】呼吸循環不全:新生児蘇生法(neonatal cardiopulmonary resuscitation:NCPR)に基づいたケアを行っても生後5~10分以上呼吸循環が確立されず,Apgarスコアが0~6点にとどまる場合,新生児仮死が示唆される。

【2】低酸素虚血への曝露を

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