◆疾患概念と定義
遅発性統合失調症は,高齢発症の統合失調症を意味するものであるが,主に2つの問題からその定義はあいまいである.1つは遅発性をどの年齢層とみるかで,40歳以上から60歳未満とするドイツ語圏と,60歳以上とする英語圏とで歴史的対立があった.前者は統合失調症全体からその晩発例の特徴を見いだそうとしたM.Bleulerの遅発統合失調症Spätschizophrenieを,後者は老年期精神障害全体のなかでの(特に認知症との)鑑別という視点からRothが提唱した遅発パラフレニーlate paraphreniaを礎としている.2つの概念が成立した背景・提唱者の視点が異なるために,両者の示す病像は一致していない.どちらが正しいと判断できる絶対的な指標がない以上,われわれは,それぞれを確立した疾患単位としてではなく提唱された類型概念としてとらえなければならない.この対立を解消するために40歳
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