治療のポイント
・発熱をきたす疾患は多岐にわたるため,詳細な病歴の確認と身体診察が診断に有用である.
・対症療法のみならず,必ず発熱をきたした原疾患を診断し,介入することが肝要である.
・2013年にHibワクチン,肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)が定期接種となり,侵襲性細菌感染症の疫学の変化から乳幼児の発熱対応にも変化が出てきている.
・小児の発熱に対し対症療法薬として安全に用いることができる解熱薬はアセトアミノフェンとイブプロフェンのみである.
●病態
・体温が高い状態は,視床下部の体温セットポイント上昇からもたらされる発熱(fever)と,セットポイント上昇なくもたらされる異常な体温の上昇(熱中症など)の高体温(hyperthermia)の2つに大別され,本項では発熱について述べる.発熱は救急外来において,最も遭遇する機会の多い小児の症候の1つである.腋窩温で37.5℃以上,もしくは平熱より1.