診療支援
治療

水酸化酵素欠乏症
hydroxylase deficiency
花川純子
(神奈川県立こども医療センター内分泌代謝科・医長)

 先天性副腎過形成症は,副腎でのステロイド合成に関与する酵素・補酵素・輸送蛋白の先天的な異常によって発症する,コルチゾールの分泌低下をきたす疾患の総称である.最も頻度が高い21-水酸化酵素欠損症の治療を中心に解説する.

Ⅰ.21-水酸化酵素欠損症

●病態

・21-水酸化酵素の活性が低下・喪失し,コルチゾール・アルドステロンの産生障害が生じることで発症する.コルチゾール産生障害は副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)過剰分泌を引き起こし,コルチゾール前駆体の蓄積の結果,副腎アンドロゲン産生が亢進する.

・この過剰アンドロゲンに曝露されることにより,女児では外性器の男性化が起こる.

●治療方針

 治療の目標は不足しているコルチゾール・アルドステロンの適切な補充により,副腎不全を防ぎ,過剰なアンドロゲン分泌を抑制して,正常な成長・二次性徴を獲得することである.加えて男性化症状を認める女児に対しては,外性器形成術が

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