診療支援
治療

褐色細胞腫
pheochromocytoma
室谷浩二
(神奈川県立こども医療センター内分泌代謝科・部長)

●病態

・褐色細胞腫は,クロム親和性細胞から発生する腫瘍で,カテコールアミンを産生する.副腎髄質から発生する場合を褐色細胞腫,副腎外傍神経節から発生する場合をパラガングリオーマと称する.褐色細胞腫とパラガングリオーマは共通の発症機序を有すると考えられており,両者を併せて広義の褐色細胞腫と称する.

・小児の褐色細胞腫は,必ずしも高血圧や動悸,多汗などの典型的な症状を呈するとは限らない.疑わしければ,血圧,蓄尿メタネフリン分画測定,腹部画像検査を実施する.また高血圧の小児において,腎疾患や腎血管性高血圧などが否定された際には,必ず褐色細胞腫を鑑別すべきである.

・小児患者は成人患者と異なる臨床的特徴を有する.成人に比して,①持続性高血圧が多い,②両側副腎罹患が多い,③ノルアドレナリン優位が多い,④孤発例で生殖細胞系列変異が多く見出され,なかでもVHLSDHBが多いという特徴がある.

●治療方針

 成人

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