診療支援
治療

Klinefelter症候群
Klinefelter syndrome
三好達也
(国立病院機構四国こどもとおとなの医療センター小児内分泌・代謝内科・医長)

●病態

・Klinefelter(クラインフェルター)症候群は,47,XXYを典型的核型とする性染色体異常症である.主な症状は,四肢が長い高身長,原発性性腺機能低下症(男性ホルモン産生障害,造精機能障害)である.発症率は男性700人に1人と推定され比較的多いが,未診断例は少なくない.男性ホルモン欠乏の程度により臨床像は幅広く,成人期に男性不妊で診断されることがある.

・二次性徴は不完全であることが多い.思春期以降では血中テストステロン低値とLHおよびFSH高値を認める.染色体不均衡にもかかわらず3コピーのSHOX遺伝子が機能することから高身長になると考えられ,男性ホルモン欠乏により四肢が長いことが特徴的である.

・成人期はすべての患者で不妊症がみられる.出生後に精母細胞は急速かつ年齢依存的に減少し,造精機能障害が起こる.精巣は精細管の硝子化と線維化によって硬くなり,精巣容量は通常6mLを超えない

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