診療支援
治療

サイトメガロウイルス感染症
cytomegalovirus(CMV)infectious disease
森内浩幸
(長崎大学大学院小児科学・教授)

Ⅰ.先天性サイトメガロウイルス(CMV)感染症

●病態

・胎児が感染すると全身臓器を広範に侵すおそれがあるが,とりわけ発達途上の脳はその影響を受けやすい.先天性難聴の原因としても重要である.

・胎内感染の約20%が出生時に症候性であるが,遅発性発症まで含めると約30%の胎内感染児が症候性で,これは年間全国で約1,000人に相当する.

●治療方針

A.重症

 中枢神経障害〔神経学的異常,眼科的異常,感音性難聴,小頭症,先天性CMV感染症として矛盾しない頭部画像異常(石灰化,中等症以上の脳室拡大,嚢胞,白質異常,大脳低形成,小脳低形成,海馬異形成,神経細胞移動障害など)〕,生命予後にかかわる病変,単一臓器の高度の障害(例:肝不全),または顕著で持続性の多臓器障害を有する重症例に対し,下記の抗ウイルス療法を行う.

Px処方例 下記➊が標準治療で6か月間投与する.消化管病変などのために経口投与できない場合は➋か

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