診療支援
治療

化膿性リンパ節炎
suppurative lymphadenitis
山中崇之
(新潟市民病院小児科・医長)

治療のポイント

・主に黄色ブドウ球菌とA群溶血性レンサ球菌(GAS)をカバーする.

・軽症例は経口治療が可能であるが,中等症以上では入院治療を行う.

・初期治療に反応せず,膿瘍を形成した場合には穿刺吸引や切開排膿を検討する.

●病態

・化膿性リンパ節炎は細菌によるリンパ節の急性感染症である.通常片側性で,1つから数個のリンパ節に起こることが多く,径は2~3cm以上になることが一般的である.

・起因菌は障害された皮膚や粘膜からリンパ流を通じて,あるいは隣接するリンパ節から侵入する.侵入した細菌に対する補体の活性化やサイトカインの放出といった初期の炎症反応が好中球やマクロファージのリンパ節への浸潤を引き起こす.その結果,血管の怒張,リンパ節内の浮腫,抗原刺激に対する細胞増殖によりリンパ節腫大が生じる.

・川崎病,ウイルス感染症(Epstein Barrウイルス,サイトメガロウイルスなど),菊池病,悪性リンパ

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