診療支援
治療

病原性大腸菌感染症
pathogenic Escherichia coli infection
荘司貴代
(静岡県立こども病院小児感染症科・医長)

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[感]腸管出血性大腸菌感染症:3類 [学]腸管出血性大腸菌感染症:3種(病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで)

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●病態

・大腸菌の多くは病原性がなく,腸管内に常在する.病原性大腸菌は下痢原性大腸菌と腸管外病原性大腸菌に大別され,下痢原性大腸菌は6つに分類される.本項では腸管出血性大腸菌感染症(EHEC:Enterohemorrhagic E.coli)について述べる.

・経口感染後3~5日の潜伏期間を経て,ベロ毒素による出血性腸炎を呈する.無症候から強い腹痛,血便,頻回の下痢といった重症例までさまざまである.

・初発症状から2週間以内で溶血性尿毒症症候群を併発し,国内では年間100例前後が報告されている.溶血性

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