診療支援
治療

結核
tuberculosis
徳永 修
(国立病院機構南京都病院小児科・診療部長)

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[感]2類 [学]2種(病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで)

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治療のポイント

・治療に伴う薬剤耐性菌の誘導を防ぐため,結核発病例に対しては感受性を有する抗結核薬3剤以上を併用して治療を開始する.

・有効な治療を適用するため,治療開始前に菌検査を徹底すること,あるいはその感染源症例の薬剤感受性を確実に把握することが重要である.

・結核治療は6か月以上の長期間にわたるため,治療に対する良好なアドヒアランスの維持が特に重要である.保健所とも密接な連携をとり,有効な治療支援を適用することが必要である.

●病態

・通常,感染性を有する結核患者から排出された結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を含む飛沫核を経気道的に吸引し,終末細気管支~肺胞まで到達することで感染する(結核初感染).

・初感染後は肺野に初感染原発巣を作るとともに,所属肺門リンパ節にも菌が運ばれて病巣が形成される(初期変化群病巣).多くの例では,これらの病巣は石灰沈着を残して治癒するが,一部の例では引き続き肺野および肺門部病巣に進行性の病変が形成されて,発病に至る(初感染結核症,一次結核症).発病後,リンパ行性・血行性に全身の臓器に進展する例もみられる.

・乳幼児では初感染後,引き続き発病に至る頻度が高いこと,また発病後は早い時間経過で髄膜炎や粟粒結核などの重症化に至ることが知られている.

・中学生など年長児では,初感染から長時間を経て潜在していた菌が増殖をはじめ,発病に至る例もみられる(成人型結核症,二次結核症).この病型では肺尖部やS6から進展することが多い.

・妊娠後期の妊婦が粟粒結核を発病した場合などに,菌の血行性散布

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