●病態
・無芽胞性嫌気性菌は,偏性嫌気性菌のうち芽胞をもたない嫌気性菌の総称である(Peptostreptococcus属,Propionibacterium属,Bacteroides属,Fusobacterium属,Prevotella属など.芽胞をもつ代表的な菌種はClostridium属).
・無芽胞性嫌気性菌の多くは皮膚や粘膜,腸管に常在している菌であるが,時にほかの好気性菌や通性嫌気性菌とともに混合感染を引き起こす.
●治療方針
嫌気性菌単独で感染を起こしていることはあまり多くないため,好気性菌や通性嫌気性菌と合わせた抗菌薬選択を行う.好気性菌や通性嫌気性菌に加えて嫌気性菌のカバーも考えた場合,1剤で治療を行う場合にはβラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリンやカルバペネム系薬が選択すべき抗菌薬となる.
一方で,これらの薬剤は感染巣によっては通常カバーの必要のない菌種(例えば緑膿菌など)にも感
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