Ⅰ.気管・気管支狭窄
●病態
・気管狭窄の多くは先天性で,膜様部が存在しないtracheal ringが原因となるパターンや,心血管奇形,食道閉鎖症などを伴い外部からの圧迫が原因となるパターンがある.
・後天性気管狭窄は気管チューブによる外傷,気道熱傷,壊死性気管気管支炎の後遺症などで生じる.
・重症度は狭窄の部位・範囲・程度や,合併奇形の有無などによりさまざまである.
・軽症例でも呼吸器感染症に罹患した際には,呼吸状態が悪化しやすいため注意が必要である.
●治療方針
集学的な管理を要するため,重症例は管理に習熟した施設に紹介すべきである.なお気管・気管支狭窄は難聴を合併することがあり,一度は確認しておく必要がある.
A.内科的治療
気管狭窄の症状は成長とともに軽減するため,成長を妨げる増悪因子を抑えるための内科的治療をまずは試みる.腹臥位が有効な場合が多く,乳幼児突然死症候群に注意して監視下で試みる.