Ⅰ.嚢胞性肺疾患
●病態
嚢胞性肺疾患とは正常の気管支や肺胞ではなく,液体や気体に満たされた肺の嚢胞または病変であり先天性と後天性に分かれる.
A.分類
・先天性嚢胞性肺疾患は主に以下のように分類される.
1.肺分画症(pulmonary sequestration)
・肺分画症は正常な空気の通り道(気管支)と交通がなく,肺動脈ではなく大動脈からの血液で栄養される異常な構造の肺のことを指す.
・正常肺の中にあるものを肺葉内分画症,正常肺の外にあるものを肺葉外分画症という.
2.気管支原性嚢胞(bronchogenic cyst)
・異常な肺芽の発生によって生じる.発生時期によって2/3は縦隔に,1/3は肺実質内に生じる.
3.先天性嚢胞性腺腫様肺奇形(CCAM:congenital cystic adenomatoid malformation)
・胎児期に終末細気管支が増殖し,さまざまな大きさの嚢胞を形成す