診療支援
治療

期外収縮
premature contraction
上田秀明
(神奈川県立こども医療センター循環器内科・部長)

治療のポイント

・期外収縮は上室性期外収縮(SVC)と心室性期外収縮(VPC)に分けられる.

・SVC:正常に伝導される場合,変行伝導を伴う場合やblockを伴いタイミングによって伝導されない場合が存在する.

・変行伝導を伴う場合には,QRS波が幅広となるためVPCとの鑑別が必要.

・通常治療は不要.

・VPC

・単形性VPCは特に運動時に減少もしくは消失する場合,ほとんど良性で治療は不要.

・頻度が多い場合には,24時間ホルター心電図検査で出現頻度を確認し,心機能評価を含めた定期的な経過観察が必要.

●病態

・基本調律の心周期より早いタイミングでの異所性興奮を期外収縮といい,主に上室性期外収縮(SVC:supraventricular premature contraction)と心室性期外収縮(VPC:ventricular premature contraction)に分類される.

A.上室性期外収縮

・SVCは心房期外収縮と房室接合部期外収縮の総称である.成因はリエントリー,異所性自動能の亢進があげられる.もちうる基礎疾患も多岐にわたり,加齢とともに頻度は増加し,個々の期外収縮の機序の分析は困難である.

・健康な小児でもしばしばみられ,学校検診でもVPCの次に多くみられる.24時間ホルター心電図や心電図モニタリング上,健常児の半数を超える児童に1日に1回以上のSVCを認めるとされている.10歳代になるにつれ,SVCの発生頻度は増すことが多い.

・基礎疾患がなく,無症状で孤発性のSVCであれば予後は良好で,運動制限,治療やさらなる検査は不要である.頻回のSVCを認める場合には,24時間ホルター心電図や運動負荷心電図を行う.上室頻拍,洞不全症候群などの基礎疾患の一症状の可能性がある.成人領域では24時間ホルター心電図上10,000個以上の期外収縮例では,症状がある症例のほうが少ないとされているが

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