診療支援
治療

自己免疫性溶血性貧血
autoimmune hemolytic anemia(AIHA)
高橋浩之
(東邦大学小児科学・准教授)

●病態

・赤血球膜上の抗原に対する自己抗体により赤血球が破壊される.以下の3つが主要な病型であり,それぞれ溶血の場や機序が異なる.

 a)温式AIHA

 b)冷式AIHA:①寒冷凝集素症(CAD:cold agglutinin disease),②発作性寒冷血色素尿症(PCH:paroxysmal cold hemoglobinuria)

・症状として溶血性貧血に共通する貧血・黄疸以外に,CADでは末梢血流障害による末端チアノーゼを,PCHでは低温環境での血管内溶血発作(突然の発熱,腹痛,血色素尿)をしばしば認める.

・一般検査ではヘモグロビン(Hb)低下,間接ビリルビン(Bil)上昇,LDH上昇を認める.確定診断には直接抗グロブリン(クームス)試験を行う.

●治療方針

 発症時にはHb<6g/dLに低下していることが多く,全例で入院管理が必要である.病型の診断には赤血球寒冷凝集反応や不規則抗体検査,D

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