診療支援
治療

再生不良性貧血
aplastic anemia(AA)
村松秀城
(名古屋大学大学院小児科学・講師)

●病態

・再生不良性貧血は,末梢血での3系統すべての血球減少(汎血球減少)と骨髄の細胞密度低下(低形成)を特徴とする造血障害である.

・汎血球減少を呈する疾患には,急性白血病,ウイルス感染症,先天性造血不全症候群など数多くあるため,慎重な診断が必要である.

・明確な原因が明らかなほかの疾患を除外することによって,初めて再生不良性貧血と診断することができる.

・一部の症例では,肝炎が先行することが知られており,肝炎後再生不良性貧血とよばれる.

・多くの症例では発症原因は特定されず,特発性再生不良性貧血とよばれる.造血幹細胞に対する自己免疫反応が疾患の本態であると考えられている.

●治療方針

A.鑑別診断

 第一にほかの疾患がないことを確認して,再生不良性貧血の診断を確実にする.ウイルス感染症などによる汎血球減少との鑑別は時に困難であり,ほかの鑑別診断に必要な検査を行いながら,一過性ではなく持続的な造血不全で

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