診療支援
治療

腎尿細管性アシドーシス
renal tubular acidosis(RTA)
森本哲司
(東北医科薬科大学小児科学・教授)

●病態

・腎機能が正常(ほぼ正常)の状態で,アニオンギャップ正常の代謝性アシドーシスを呈する.

A.遠位尿細管性アシドーシス(Ⅰ型RTA)

・集合管α間在細胞における管腔への酸(H)分泌障害が原因で,著しい酸血症下でも尿pHが5.5以下にならない.

・低カリウム(K)血症は必発で,高カルシウム(Ca)尿症や低クエン酸尿症のため,腎石灰化や腎結石を高頻度で合併する.

・遺伝性には,常染色体劣性遺伝と優性遺伝があり,前者は体重増加不良で気づかれ,感音性難聴を合併することがある.後者は年長児や成人期に腎結石や,低K血症に由来する筋力低下や脱力などで発見される症例が多い.

・臨床では,自己免疫疾患Sjögren(シェーグレン)症候群などや薬剤性の二次性遠位尿細管性アシドーシス(dRTA:distal RTA)が多数を占める.

B.近位尿細管性アシドーシス(Ⅱ型RTA)

・近位尿細管でのHCO3-の再吸収障害が原

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