●病態
・脳症症状を含む多症候性を示す中枢神経系脱髄性疾患である.ウイルス感染や予防接種後に一定の期間を経て発症し,脳脊髄液や脳組織からウイルスが分離されないため,自己免疫機序により発症すると考えられている.
●治療方針
前向き臨床試験は行われておらず,標準的な治療はない.しかし,その病態から一般的に副腎皮質ステロイド,免疫グロブリン大量療法,血液浄化療法などが使用され有効である.治療はできる限り早期に開始し,感染性脳炎・脊髄炎が否定できない場合はそれらに対する治療(抗菌薬やアシクロビル)を併用する.
A.薬物治療
1.ステロイド
使用されるステロイドの種類や量,投与方法はさまざまであるが,メチルプレドニゾロン大量点滴静注を治療反応性に応じて繰り返す治療法(パルス療法)が最も広く用いられる.ステロイドパルス療法の後療法として経口ステロイドを4~6週かけて漸減する.3週以内の急速なステロイド減量は再
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