●病態
A.分類
・片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛と,感染症や脳腫瘍などによる二次性頭痛に分類される.いずれも診療ガイドラインに基づいて診断,加療する.
B.診断のポイント
・一次性頭痛が併存していることが多く,まずは最も日常生活に支障をきたしている頭痛に焦点を絞って問診する.
・必ずしも頭痛の程度と疾患の重症度が相関するとは限らず,二次性頭痛が疑われる際には積極的に検査を施行する.
●治療方針
緊張型頭痛は日常生活の指導で軽快することが多く,本項では片頭痛の加療について述べる.
A.非薬物療法
患者教育(生活リズムを整える)をメインに指導し,頭痛ダイアリーなどで重症度を把握したうえで治療方針を組み立てる.
B.薬物療法
頭痛発症早期に内服し,静かな部屋で安静にするよう指導する.明らかな誘因を避け,生活リズムを整えても頭痛が頻回(月に4~5回)にみられる際には,予防投与を検討する.
1.急性期治療(頭痛発作時)
Px処方例 下記のいずれかを用いる.
➊カロナール薬坐剤またはアンヒバ薬坐剤小児用 1回10mg/kg 頓用 1日2回まで
➋ブルフェン薬顆粒 1回5~10mg/kg(成分量として) 頓用 1日2回まで
➌ナウゼリン薬細粒 1回1mg/kg(成分量として) 頓用 1日2回まで
痛みの程度が強い際には消化器症状を伴わなくても,鎮痛薬の吸収を促すため制吐薬を併用する.鎮痛薬が無効な際は,承諾を得たうえで➍➎の各種トリプタンのいずれかを使用する.
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