●病態
・明らかな感染徴候がないのに繰り返す腹痛の大部分は機能性消化管障害(FGIDs:functional gastrointestinal disease)と考えられ,年少児によくみられる反復性腹痛(RAP:recurrent abdominal pain)と思春期以降に多い過敏性腸症候群(IBS:irritable bowel syndrome)がある.
・機能性消化管障害の病態は不明であるが,内臓神経の過敏性により健常人に比べて「痛み」を感じやすくなっているとされ,精神的なストレスは,小腸や大腸運動に影響を与えセロトニン神経系が関与し「脳腸相関」といわれる.
・2006年RomeⅢ基準で新生児・幼児(4歳未満)と小児・思春期(4~18歳)に分類された.
・4歳未満は乳児疝痛,機能性下痢症,年少期はRAP,9~12歳以降は成人と同様に便通異常が便秘型・下痢型など,13~14歳の思春期前期には