定期接種は予防接種法に基づき市町村(特別区を含む)長が公費(一部で自己負担あり)を用いて実施する.定期接種は集団予防を目的とする感染症(A類疾病)と個人予防を目的とする感染症(B類疾病)に分類されるが,後者は高齢者を対象としたインフルエンザワクチン,成人用肺炎球菌ワクチンであるため本項では割愛する.また,予防接種実施に際して注意すべき点(予診票の確認,ワクチンの管理,接種不適当者・要注意者,副反応発生時の対応と報告,予防接種の記録の保存,キャッチアップスケジュールなど)については成書〔「予防接種ガイドライン」(予防接種リサーチセンター)など〕を参照のこと.
以下標準的な接種時期に基づいて乳児期(生後1歳に至る前日まで),幼児期(就学時まで),小児期(学童)に分けて記す.
A.乳児期に必要なワクチン
接種するワクチンが多く,かつそれぞれの接種間隔が異なるため同時接種などをうまく活用し,標準的