●病態
・俗に「みずいぼ」といい,molluscum virusの皮膚への感染症で乳幼児に好発する.接触時の接種によって感染し,体幹・四肢などどこにでも生じうる.
・潜伏期間は2週間~50日ほどといわれる.
・症状は,点状ないし小豆大の健常皮膚色,中心臍窩をもつ小丘疹である.圧すると,中央の臍窩からウイルス感染で変性した粥状の細胞塊が排出される.軟属腫は数個の場合が多いが,時には小さいものが非常に多数みられるような多発例もある.軟属腫の周囲は乾燥して,湿疹病変を呈することが多く,軟属腫反応という.
●治療方針
A.治療すべきか
放置しても自然消退することから,疼痛を伴う摘除を避け,自然消退を待つよう放置を勧める向きもある.しかし放置すれば本人での軟属腫の増数や他人へ感染,さらに掻破によるアトピー性皮膚炎の増悪,膿痂疹の続発などを生じるため,やはり何らかの方法で治療すべきである.