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GL高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版(2019年改訂)(2022年追補版)
治療のポイント
・痛風の治療には,十分量のNSAIDsを投与する.
・コルヒチンは,痛風関節炎の急性期に少量を短期間投与する.
・NSAIDsが投与困難な症例にはグルココルチコイドを投与する.
・痛風発作を生じている時期には,尿酸低下薬の投与を開始しない.
・尿酸低下薬による痛風関節炎を予防する目的で,少量のコルヒチンを投与することがある.
◆病態と診断
A病態
・高尿酸血症は,痛風関節炎,腎障害をはじめとする尿酸塩沈着症の原因となるだけでなく,種々の生活習慣病の病態において臨床上有用な指標(危険因子,予後因子)である.痛風は尿酸一ナトリウム(MSU:monosodium urate)結晶による結晶誘発性関節炎であり,痛風発作を生じると痛風と診断される.
・わが国では近年,成人男性において痛風が急増しており,1~1.5%程度に痛風が存在すると報告されている.生活習慣の変化に伴い,プリン体や肉類,内臓類の摂取,飲酒,肥満,ストレスなどが増加したことが,本症増加の原因と推察されている.
・痛風関節炎は中年男性に多く,下肢の母趾中足趾節関節に好発する.本症は,MSU結晶が関節内に析出するか,関節内の微小痛風結節から剥落(crystal shedding)することにより自然免疫系を活性化して発症すると考えられている.
・高度の高尿酸血症に長期間さらされると痛風結節が生じやすい.痛風結節はその存在部位によっては関節破壊や圧迫による末梢神経障害,皮膚潰瘍を生じる可能性があり,痛風患者の5%に認められると報告されている.
B診断
・高尿酸血症は,性別,年齢を問わず,血清尿酸値が7.0mg/dLを超えるものと定義されている.
・痛風の診断は,関節液中の白血球に貪食されたMSU結晶が確認できれば確定診断されるが,侵襲的な検査
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