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GL関節リウマチ診療ガイドライン2020
治療のポイント
・臓器障害(肺,腸管,腎臓,皮膚潰瘍・壊疽など)の重症度を評価すると同時に,患者背景(年齢,体格,合併症など)や患者の希望を考慮して治療方針を決定する.
・強い炎症を抑えるため,通常中等量以上のステロイド(GC)治療が基本となる.重症例や難治例では,高用量GC(ステロイドパルス療法も含む)を使用し,さらに必要に応じてIVCYなどの免疫抑制薬を追加併用する.
・GCによる有害事象(脂質異常症,耐糖能異常など代謝系異常,眼圧上昇,骨粗鬆症など)対策を講じる.
◆病態と診断
・関節リウマチ(RA)でみられる関節外症状には,全身症状(発熱,全身倦怠感,食欲不振,体重減少など),間質性肺炎,漿膜炎(心膜炎,胸膜炎),リウマトイド血管炎(虚血性腸炎,手指足趾の潰瘍・壊疽,脳血管障害,冠動脈疾患など)と,炎症の持続による2次性アミロイドーシスがある.
・リウマトイド血管炎の病態として,リウマトイド因子とIgGとの免疫複合体が形成され,補体の活性化,補体成分による白血球の遊走と活性化,白血球からの活性酸素や炎症性サイトカインの放出が起こり,血管炎が起こると考えられている.その結果,中小型血管の内腔狭窄・閉塞による血流障害によって臓器障害が起こる.
・2次性アミロイドーシスは,長期の炎症の持続によりアミロイドA蛋白が心臓,腎臓,消化管などの臓器に沈着し,それらの臓器の障害が起こる.
◆治療方針
RAの関節外症状の治療の基本は,RAの疾患活動性をしっかり制御することである.関節炎のコントロールではメトトレキサートが主体となるが,関節外症状に対してはGCが主体となる.具体的な用量については,臓器障害の程度や患者背景など,個々の患者の状況を鑑みて決定する.
関節外症状として頻度の高い間質性肺炎には,通常GC単独で寛解導入を試み,必要に応じて静注
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