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GL多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017
治療のポイント
・将来を見据えた治療戦略を考える.
・予後不良因子や疾患活動性を見極め,適切な疾患修飾薬を検討する.
・効果が不十分と判断した場合には,すみやかに疾患修飾薬の変更を検討する.
・それぞれの疾患修飾薬の副作用に注意する.
◆病態と診断
A病態
・多発性硬化症は中枢神経系の炎症性脱髄性疾患で,自己免疫的機序が考えられている.
・リンパ球を中心とした免疫が関与する.
・遺伝的要因と環境的要因が影響する多因子疾患と考えられている.
B診断
・MSの診断マーカーはなく,診断において最も大事な点は,十分に他疾患を除外することである.
・McDonald 2017診断基準を用いるが,あくまでMSを疑う症例に当てはめる.MSらしくないケースを診断基準に当てはめない.
◆治療方針
治療は急性期治療,再発予防・進行抑制治療,対症療法の大きく3つに分かれる.「多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017」も参照されたいが,公開後に本邦で承認された薬剤もあるため,最新の情報を入手する必要がある.
A急性期治療
急性期治療では,より早期に,ステロイドパルス(メチルプレドニゾロン点滴)を行う.1クールは3~5日で,1ないし2クール行う.初発など診断が確定していない時期は,パルスに引き続いてプレドニゾロンの後療法を行うこともあるが,MS診断後はすみやかに減量→中止する.
ステロイドパルス療法で効果が不十分な場合,血漿浄化療法を行うが,必要とするケースは多くない.
Px処方例
メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム(ソル・メドロール薬)注 1回1,000mg 1日1回 3~5日間 点滴静注
B再発予防治療
MSの疾患修飾薬は,現在本邦で8種類ある.組み合わせて使用することはなく,どれか1つを用いる.患者の疾患活動性や予後不良因子などを勘案し
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