頻度 あまりみない(女性に多く9:1,年齢はあまり関係なく発症する)
GL多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017
ニュートピックス
・国内では4種類の承認抗体治療薬があり,抗アクアポリン4(AQP4)抗体陽性例で使用可能である.
・COVID-19感染での発症報告があり,SARS-CoV-2ワクチン接種症例でも報告がある.
治療のポイント
・抗AQP4抗体陽性であるなしにかかわらず再発予防のための免疫療法は継続する必要がある.
・30%が膠原病の合併,時に腫瘍合併があり注意する.
・再発時の標準治療としてステロイドパルス療法があるが,効果がない場合は2クール目の投与と同時に血液浄化療法,もしくは視神経炎の場合は初回ステロイドパルス療法後に免疫グロブリン大量静注(IVIg)療法を検討し後遺症の軽減に努める.
◆病態と診断
A病態
・過去にはDevic病とよばれ,視神経と脊髄炎の障害がメインであったが,2004年NMO-IgGの発見,2005年NMO-IgGが水チャネルAQP4を認識することで起こる補体介在性のアストロサイトパチーとそのためによる2次性のオリゴデンドロサイト,神経細胞障害を引き起こすことが判明した.
・抗AQP4抗体陰性例の一部の症例ではMOG抗体が陽性となり,現在MOG抗体関連疾患(MOGAD:MOG antibody-associated disease)としてその解明のための研究がなされている.
B診断
・視神経の重篤な障害で,一度のアタックで失明ないし視力が0.1以下ないし視野欠損が戻らないことがある.片側から両側性障害に進展したり,視交叉病変などでは水平性半盲となる.長大な脊髄病変(3椎体以上)が灰白質中心に起こり,麻痺やレベルのある感覚障害,ガードル状の痛み,排尿・排便障害をきたす.
・時に延髄最後野病変で難治性吃逆,嘔気,嘔吐が24時間以上継続し消化器内科を受診する
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