頻度 割合みる(罹患率は小児10万人あたり年間6.5人で,欧米に比べて約3倍の頻度である.男児が女児の約2倍で,半数以上が5歳未満で発症する.また,3年で約40%は頻回再発型ネフローゼ症候群やステロイド依存性ネフローゼ症候群に至る)
GL小児特発性ネフローゼ症候群診療ガイドライン2020
GLエビデンスに基づくネフローゼ症候群診療ガイドライン2020
ニュートピックス
・難治性ネフローゼ症候群の治療にリツキシマブが用いられるようになり,難治例の管理がしやすくなっているが,一方で低ガンマグロブリン血症などの新たな副作用が注目されている.
治療のポイント
・初発,再発治療ともにステロイドが第1選択であり,初発治療は8週間治療(ISKDC法)が推奨されている.
・頻回再発型/ステロイド依存性ネフローゼ症候群,ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群,難治性ネフローゼ症候群の治療には,長期間のステロイド使用による副作用を避けるため,免疫抑制薬や生物学的製剤が用いられる.
◆病態と診断
A病態
・小児ネフローゼ症候群の約90%が原因不明な特発性ネフローゼ症候群である.
・組織型として,微小変化型,巣状分節性糸球体硬化症(FSGS:focal segmental glomerulosclerosis),びまん性メサンギウム増殖などがあり,約80%が微小変化型である.臨床型として,ステロイド治療に反応するステロイド感受性ネフローゼ症候群と,反応しないステロイド抵抗性ネフローゼ症候群に分けられる.
・小児特発性ネフローゼ症候群の約90%以上がステロイド感受性である.
・ステロイド感受性の場合,腎予後は比較的良好である.ステロイド抵抗性の場合,腎不全に進行する可能性がある.
・ステロイド抵抗性の場合は腎生検を行い,治療方針を決定する.また,ネフローゼ症候群発症時に,1歳未満,持続的血尿や肉眼的血尿,高血圧,腎機能障害,低補体血
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