今日の診療
治療指針

24.アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2021



作成グループ

 公益社団法人日本皮膚科学会 一般社団法人日本アレルギー学会 アトピー性皮膚炎診療ガイドライン作成委員会(委員長:佐伯秀久).

作成の経緯,作成時期

 日本皮膚科学会によるアトピー性皮膚炎診療ガイドラインは,皮膚科専門医を主な対象として2000年に初めて作成され,その後2003年,2004年に改訂された.2008年,2009年,2016年にはアトピー性皮膚炎の診断基準や重症度分類を含めた診療ガイドラインとして刊行された.一方,一般医向けに日本アレルギー学会作成のガイドラインが刊行されてきた.2018年には,これら2つのガイドラインが統合され,アトピー性皮膚炎の患者の診療にかかわるすべての医師,医療従事者を対象とした診療ガイドラインが作成された1).本ガイドライン2)は,国内外で発表されたアトピー性皮膚炎に関する新しい知見(2020年12月末まで)を加えて作成された改訂版で,2021年12月に公開された.


準拠したエビデンスの分類,勧告・奨励の分類など

 本ガイドライン2)でのエビデンスレベルや推奨度は,Minds「診療ガイドライン作成の手引き2014」や「終末期がん患者の輸液療法に関するガイドライン2013年版」,日本皮膚科学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018年版」などで用いられたものを参考に作成された.


A.エビデンスレベルの分類

 A(高い):結果はほぼ確実であり,今後研究が新しく行われても結果が大きく変化する可能性は少ない.

  1) 質の高い,かつ,多数の一致した結果の無作為化比較試験

  2) 無作為化比較試験のメタアナリシス

 B(低い):結果を支持する研究があるが十分ではないため,今後研究が行われた場合に結果が大きく変化する可能性がある.

  1) 不一致な結果の無作為化比較試験

  2) 質に疑問のある,または,少数の無作為化比較試験

  3) 非無作為化比較

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?