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治療のポイント
・肝損傷の9割近くが非外科的治療でマネジメント可能である.
・造影CTで肝実質内の造影剤血管外漏出がある場合,血管塞栓術もしくは手術の適応となる.
・循環動態不安定な肝損傷患者は直ちに試験開腹術が必要となる場合もあり,外傷専門施設での診療が望ましい.
・凝固異常を伴う患者の場合の手術では,ダメージコントロール蘇生を意識した輸血戦略および肝切除などの根治的手術よりも,肝周囲パッキングによるダメージコントロール手術を行うほうが安全である.
・米国外傷外科学会(AAST:The American Association for the Surgery of Trauma)による肝損傷分類Grade Ⅲ以上の場合,胆汁瘻を合併する可能性がある.
◆病態と診断
A病態
・鈍的肝損傷:肝実質区域の境界に沿って損傷することが多い.門脈三管は強固な線維組織で覆われており損傷を受けにくいが,肝