頻度 あまりみない
治療のポイント
・毒性が強い.
・呼吸困難や低酸素血症が出現するまで酸素投与は控える.
・Proudfoot生存曲線やHartノモグラムを参考に治療方針を検討する.
・パラコートは少量摂取でも致死的肺損傷や死亡につながる.
・パラコートについて,1986年には毒性低減のため5%製剤に変更され,ジクワットとの混合製剤となり,誤飲防止のため青緑色色素,苦味剤,臭気性物質,催吐剤が配合された.
・現在国内でのパラコート原体の生産は中止しているが,パラコート製剤の生産や販売は行われている.
◆病態と診断
A病態
・パラコートは,生体内でパラコートラジカルになりスーパーオキシド基を生成し,レドックス・サイクルとよばれる還元酸化を繰り返す.その結果NADPHが枯渇し細胞死に至る.
・パラコートは肺胞細胞壊死と線維化を生じる.ジクワットは腎尿細管壊死を生じる.
・経口摂取では主に小腸で1~5%が吸収され,残