診療支援
治療

パラコート・ジクワット中毒
paraquat and diquat poisoning
落合秀信
(宮崎大学教授・救急・災害医学)

頻度 あまりみない

治療のポイント

・毒性が強い.

・呼吸困難や低酸素血症が出現するまで酸素投与は控える.

・Proudfoot生存曲線やHartノモグラムを参考に治療方針を検討する.

・パラコートは少量摂取でも致死的肺損傷や死亡につながる.

・パラコートについて,1986年には毒性低減のため5%製剤に変更され,ジクワットとの混合製剤となり,誤飲防止のため青緑色色素,苦味剤,臭気性物質,催吐剤が配合された.

・現在国内でのパラコート原体の生産は中止しているが,パラコート製剤の生産や販売は行われている.

◆病態と診断

A病態

・パラコートは,生体内でパラコートラジカルになりスーパーオキシド基を生成し,レドックス・サイクルとよばれる還元酸化を繰り返す.その結果NADPHが枯渇し細胞死に至る.

・パラコートは肺胞細胞壊死と線維化を生じる.ジクワットは腎尿細管壊死を生じる.

・経口摂取では主に小腸で1~5%が吸収され,残

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