頻度 ときどきみる
治療のポイント
・重症では集中治療管理,特に循環管理が重要となる.
・小児では1錠の内服でも致死的となる可能性がある.
・高齢者や腎機能障害患者では過量服薬がなくても中毒を生じうる.
◆病態と診断
・循環器用薬のなかでもCa拮抗薬やβ遮断薬,ジゴキシンの中毒に注意が必要.
A病態
・注意すべき主な症状は徐脈と低血圧である.
・Ca拮抗薬のうちジヒドロピリジン系は末梢血管への選択性が高く,主な毒性は血管拡張性ショックで反射性頻脈を生じうる.非ジヒドロピリジン系の毒性は心筋細胞と末梢血管への複合的な作用による.
・β遮断薬はL型Ca2+ チャネルの開放を阻害し,陰性変時作用や陰性変力作用を示す.
・β遮断薬中毒ではβアドレナリン受容体への選択性は失われ,β1 選択性の高い薬剤でもβ2・β3 アドレナリン受容体に作用し,気管支れん縮や陰性変力作用を示す.
・ジゴキシンの過量服薬ではATP依存性Na/
関連リンク
- 今日の治療指針2024年版/急性中毒治療の原則
- 今日の治療指針2024年版/環系(三環系および四環系)抗うつ薬中毒,炭酸リチウム中毒
- 治療薬マニュアル2024/インスリン ヒト(遺伝子組換え)《ヒューマリンR》
- 治療薬マニュアル2024/ブドウ糖《ブドウ糖 ブドウ糖》
- 治療薬マニュアル2024/グルカゴン《グルカゴンG グルカゴン》
- 治療薬マニュアル2024/グルコン酸カルシウム水和物《カルチコール》
- 治療薬マニュアル2024/合剤 《イントラリポス》
- 治療薬マニュアル2024/メチルチオニニウム塩化物水和物《メチレンブルー》
- 今日の治療指針2024年版/キサンチン誘導体中毒(テオフィリン中毒・カフェイン中毒)
- 今日の治療指針2024年版/不整脈
- 急性中毒診療レジデントマニュアル 第2版/[1]フェノチアジン誘導体
- 急性中毒診療レジデントマニュアル 第2版/[2]ブチロフェノン誘導体
- 急性中毒診療レジデントマニュアル 第2版/[4]第1世代三環系抗うつ薬
- 急性中毒診療レジデントマニュアル 第2版/[10]バルビツール酸類
- 急性中毒診療レジデントマニュアル 第2版/[16]β遮断薬
- 急性中毒診療レジデントマニュアル 第2版/[18]テオフィリン