頻度 あまりみない
治療のポイント
・ガソリンや灯油は,誤飲・誤嚥・吸入・接触により化学性肺炎,中枢神経障害,接触皮膚炎を起こす.
・ガソリンや灯油を誤飲すると,その直接刺激や催吐作用によって口腔咽頭の熱感,嘔気嘔吐など消化器症状が出現し,その後誤嚥による咳嗽,呻吟,チアノーゼなど呼吸器症状が出現し,急性呼吸促迫症候群(ARDS)などの呼吸不全を生じる.
・ガソリンや灯油が皮膚に一定時間曝露すると化学損傷を起こし,灯油皮膚炎とよばれる接触皮膚炎を起こす.
・拮抗薬はなく,全身管理や対症療法が中心である.
・粘度が低く,揮発性があり,容易に気道へ拡散するため,催吐や胃洗浄は推奨されない.
◆病態と診断
A病態
・石油製品は主に脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素の混合物である.
・脂肪族炭化水素より芳香族炭化水素のほうが,揮発性が高く毒性は強い.
・灯油よりもガソリンのほうが芳香族炭化水素の割合が高く,プレミアムガソリ