診療支援
治療

トリカブト中毒
aconite poisoning
青柳有沙
(札幌医科大学附属病院・高度救命救急センター)

頻度 あまりみない

治療のポイント

・中毒患者のおよそ8割に不整脈が出現し,致死性不整脈から死に至る場合がある.

・山菜や自殺目的の植物摂取,漢方摂取歴などの確認が診断に際し重要である.

・解毒拮抗薬はなく,対症療法および全身管理を行う.

・心電図の持続モニタリングを行い,重症の場合は機械的補助循環(体外式膜型人工肺VA-ECMO:veno-arterial extracorporeal membrane oxygenation)を考慮する.

◆病態と診断

A病態

・トリカブトはキンポウゲ科トリカブト属の多年草で,毒性の高いアコニチン類を全草に含有する(根>茎>葉の順に含有量が多い).

・若芽の時期は食用山菜と類似するため,4~5月に誤食による中毒例が散見される.

・アコニチン類は細胞のNaチャネルの不活化を抑制し中毒症状を発現する.

・アコニチン類は摂取すると消化管からすみやかに吸収され,数時間以内に神経症状

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