診療支援
治療

リケッチア感染症(つつが虫病,日本紅斑熱) [■4類感染症]
rickettsial diseases [tsutsugamushi disease(scrub typhus)and Japanese spotted fever]
仲村 究
(福島県立医科大学准教授・感染制御学)

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GLリケッチア症診療の手引き(2019)

治療のポイント

・原因不明の発疹を伴う発熱患者では,一般細菌やウイルス感染症に加えてリケッチア感染症も鑑別にあげることが重要である.

・発熱,発疹,刺し口が認められれば本疾患を強く疑う.ただし,刺し口が認められない患者も存在する.

・治療の遅れが致命的となりうる.本疾患を疑った場合,診断に必要な検体の採取・保存ができたら,エンピリックに治療を開始する.

・つつが虫病の治療の第1選択はテトラサイクリン系抗菌薬であるが,日本紅斑熱ではキノロン系抗菌薬の併用も検討する.

Ⅰ.つつが虫病

A病態

・つつが虫病は,リケッチア目リケッチア科オリエンチア属に分類される偏性細胞内寄生菌のOrientia tsutsugamushiを原因とする感染症であり,ダニの一種であるツツガムシの幼虫の刺咬により媒介される.

・つつが虫病を媒介するツツガムシの活動時期に合わせ,

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