診療支援
治療

A群溶血性レンサ球菌感染症(STSSを含む) [■5類感染症-定点把握]
group A Streptococcal infection and Streptococcal toxic shock syndrome(STSS)
柳原克紀
(長崎大学大学院教授・病態解析・診断学)

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治療のポイント

・A群溶血性レンサ球菌は,上気道炎や化膿性皮膚感染症などの原因菌としてよくみられるグラム陽性球菌である.

・急速に進行して致死的な経過をたどる劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS:streptococcal toxic shock syndrome)には注意が必要である.

◆病態と診断

A病態

Streptococcus pyogenesは,Lancefieldの血清型でA群に分類され,血液寒天培地上でβ溶血(完全溶血)を起こすので,A群β溶血性レンサ球菌とよばれる.本菌を溶連菌または化膿レンサ球菌とすることが多いので,本項ではS. pyogenes感染症をA群溶血性レンサ球菌感染症として記述する.A群溶血性レンサ球菌感染症は菌の侵入部位や組織によって多様な臨床症状を引き起こす.急性咽頭炎のほか,膿痂疹,蜂巣織炎,あるいは特殊な病型として猩紅熱がある.また,中耳炎,

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