診療支援
治療

水痘 [■5類感染症-定点把握]
varicella(chickenpox)
新庄正宜
(慶應義塾大学専任講師・小児科学)

頻度 よくみる

治療のポイント

・抗ウイルス薬を用いることが多いが,健康小児においては通常自然治癒する.

・3か月以上の間隔で2回,1~2歳で行う定期接種による予防効果が高い.

◆病態と診断

A病態

・水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV:varicella zoster virus)(αヘルペスウイルス亜科,2本鎖DNAウイルス)の初感染によって起こる,急性感染症である.

・ヒトからヒトに感染しやすい疾患の1つ(基本再生産数8~10)で,空気感染する.

・VZVの自然宿主はヒトのみである.

・VZVは気道粘膜から侵入し,鼻咽頭の侵入部位と所属リンパ節で増殖し,その後ウイルス血症によって皮膚,肝,脾などに散布され,皮膚にはかゆみを伴う水疱を形成する.

・主体は水疱であるが,紅斑,丘疹,水疱,膿疱,痂皮と進むため,さまざまなステージの発疹が一度にみられる.

・発疹は頭や体幹に多く,手や足には少ない.

・潜伏期間はおおむね

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