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Ⅰ.イヌ咬傷
治療のポイント
・イヌ咬傷はネコ咬傷に比べて範囲が広いが,深い傷ではない.しかし,受傷者本人の皮膚にも常在する黄色ブドウ球菌やレンサ球菌が,挫滅した創面に感染を惹起することがある.
・イヌ口腔由来の病原菌はカプノサイトファーガ(Capnocytophaga canimorsus)やパスツレラ(Pasteurella multocida),嫌気性菌が重要であり,適切な抗菌薬治療と注意深い経過観察を必要とする.
◆病態と診断
A病態
・C. canimorsusによる感染症は局所化膿巣,あるいは蜂窩織炎から指趾壊疽へと進展し,切断を要することもある.時に菌血症から敗血症性ショック,あるいは電撃性紫斑病へと進展し,髄膜炎や心内膜炎を合併し,致死的となる事例がある.糖尿病,大酒家,肝硬変,血液透析中の患者のみならず,健康成人においても注意を要する.
B診断
・Capnocytoph
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