頻度 ときどきみる
治療のポイント
・放射線治療後1~3か月で発症することが多く,症状が強い場合や進行する場合はステロイド治療を行う.
・放射線照射野外に進展する場合は,重症化のリスクがあり,早期の治療開始を検討する.
◆病態と診断
A病態
・肺癌,食道癌,乳癌,縦隔腫瘍などに対する放射線治療の有害事象として起こる放射線性肺障害である.
・放射線照射により傷害された肺組織では,急性期から亜急性期には主に間質に炎症が起こり放射線肺炎(放射線肺臓炎)とよばれ,晩期には線維化をきたし放射線肺線維症とよばれる.
B診断
・放射線照射終了後6か月以内(特に照射後1~3か月)に発症することが多いが,6か月以上経ってから発症することもある.
・胸部X線やCTにて,放射線照射野に一致した非特異的なすりガラス影や斑状影を認める.照射野を反映して正常肺との境界が直線状となることが多い.
・時に照射野外や対側肺に広がる場合があり,一