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GLエビデンスに基づく急速進行性腎炎症候群(RPGN)診療ガイドライン2020
ニュートピックス
・経口選択的C5a受容体拮抗薬アバコパン(タブネオス)がANCA関連血管炎〔顕微鏡的多発血管炎(MPA)と多発血管炎性肉芽腫症(GPA)〕に対して世界に先駆けて承認された.副腎皮質ステロイドの短期間での離脱と再燃抑制効果が示されたが,適応症例,併用薬剤,投与期間などが今後の課題である.
治療のポイント
・早急に腎生検が可能な施設へ紹介する.
・ANCA関連腎炎は再燃する.寛解導入と維持治療が必要で,副腎皮質ステロイド,免疫抑制薬またはリツキシマブ,血漿交換を組み合わせる.
・MPO-ANCAは高齢者に多く,過剰な免疫抑制を避ける.
◆病態と診断
A病態
・RPGNは血尿・蛋白尿の腎炎所見を伴い数週間から数か月の経過で急速に腎不全が進行する症候群で,治療が遅れると高率に末期腎不全に至る.
・症候が腎に限局する一次性RPGN,腎外症候を伴う二次性RPGNに分類される.
・大部分は抗好中球細胞質抗体(ANCA:anti-neutrophil cytoplasmic antibody)関連腎炎で,ほかに抗糸球体基底膜(GBM:glomerular basement membrane)腎炎,免疫複合体型腎炎(IgA腎症/IgA血管炎,ループス腎炎,クリオグロブリン血症性腎炎,膜性増殖性糸球体腎炎,感染関連糸球体腎炎),薬剤性などがある.
B診断
・3か月以内に30%以上のeGFR値低下が目安である.
・血尿と蛋白尿を伴う.その他貧血とCRP高値を伴うことが多い.二次性RPGNは腎外臓器症候に注意する(ANCA関連腎炎:上気道,肺,神経症状など,抗GBM腎炎:肺出血,IgA血管炎:紫斑・腹痛・関節痛,ループス腎炎:皮疹,漿膜炎など).
・腎形態をエコーかCTで確認し,慢性(腎萎縮)や腎後性(水腎症)を
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