頻度 よくみる
治療のポイント
・基礎疾患・原因疾患により鉄吸収・利用に障害が起きるために生じる貧血である.
・原病の治療が最優先である.
・鉄欠乏を合併している場合は鉄の補充を行う.
・骨髄異形成症候群などの血液疾患を合併していることがあり,鑑別診断が重要となる.
◆病態と診断
A病態
・原因疾患には,悪性疾患,感染症や膠原病などの慢性炎症(ACD:anemia of chronic disease),腎疾患,肝疾患,甲状腺機能異常などの内分泌疾患,低栄養などがある.ACDが最も高頻度である.出血性貧血は含めないことが多い.
・ACDは炎症性サイトカインであるインターロイキン(IL)-6やIL-1βが増加,肝細胞に作用し,体内の鉄動態にかかわらず,体内の鉄代謝を調節するヘプシジンが発現亢進することに起因する.ヘプシジンは通常鉄過剰の状態でマクロファージや十二指腸腸管細胞のフェロポーチン発現を抑制することで
関連リンク
- 今日の治療指針2024年版/鉄欠乏性貧血
- 今日の治療指針2024年版/保存期(非透析)慢性腎臓病患者の腎性貧血
- 治療薬マニュアル2024/クエン酸第一鉄ナトリウム《フェロミア》
- 治療薬マニュアル2024/レバミピド《ムコスタ》
- 治療薬マニュアル2024/クエン酸第二鉄水和物《リオナ》
- ジェネラリストのための内科診断リファレンス 第2版/3 小球性貧血・鉄欠乏性貧血
- ジェネラリストのための内科診断リファレンス 第2版/4 大球性貧血・巨赤芽球性貧血
- 今日の皮膚疾患治療指針 第5版/ヘモクロマトーシス
- 新臨床内科学 第10版/1 ヘモクロマトーシス
- 新臨床内科学 第10版/【14】慢性疾患に伴う貧血,腎性貧血
- 新臨床内科学 第10版/3 腎性貧血
- 今日の診断指針 第8版/ヘモクロマトーシス(鉄過剰症)